不動産用語集
あ行
アパート
英語の「アパートメント(apartment)」を略した言葉。
わが国では1階建てもしくは2階建ての共同住宅で、建築構造が木造または軽量鉄骨構造のものを一般的に指している。
しかし最近では2階建ての共同住宅であっても、重量鉄骨構造のものがあり、また外壁・内壁も軽量気泡コンクリートパネル等としているものもある。
このため、マンションとアパートの外観上・構造上の区別がつきにくくなってきている。
一般媒介契約
媒介契約の一つの類型。
一般媒介契約とは、次の1.および2.の特徴を持つ媒介契約のことである。
1.依頼者(すなわち売主等のこと)が「依頼した宅地建物取引業者」以外の「他の宅地建物取引業者」に重ねて媒介を依頼することが原則的に自由である。
2.依頼者自身が、自分の力で取引の相手を発見し、直接契約することが原則的に自由である。
なお、依頼者が、「依頼した宅地建物取引業者」以外の「他の宅地建物取引業者」に重ねて依頼する場合において、その「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に通知するかどうかにより、一般媒介契約はさらに次の2つの類型に分かれる。
1)明示型の一般媒介契約
明示型の一般媒介契約とは、「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に対して通知する義務があるとする媒介契約である。
2)非明示型の一般媒介契約
非明示型の一般媒介契約とは、「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に対して通知しなくてよいとする媒介契約である。
ウォークインクローゼット
ウォークイン、つまり歩いて入れるクローゼット、衣類の押入のこと。衣装ダンス、衣裳戸棚を指すワードローブは家具のニュアンスが強いのに対して、ウォークインクローゼットは造り付け家具、ないし部屋の意味に使われることが多い。
SRC
「Steel Reinforced Concrete」の頭文字を取ったもの。
「鉄骨鉄筋コンクリート構造」という意味である。
鉄筋コンクリートに、鉄骨を内蔵させた建築構造。
比較的小さい断面で、強い骨組を作ることができ、粘り強さもあるため、高層建築に多用されている。
LDK
「リビング・ダイニング・キッチン」のこと。
リビングは「居室」、ダイニングは「食事室」、キッチンは「台所」であり、リビング・ダイニング・キッチンは「居室兼食事室兼台所」という意味である。
不動産広告を規制している「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」では、広告中に「LDK」と表示する場合には、「居室兼食事室兼台所」として使用できるだけの広さと機能を備えていることが必要であるとしている(不動産の表示に関する公正競争規約第15条第25号)。
この場合に、最低必要なLDKの広さの目安は、居室(寝室)数が1部屋のときには8畳、2部屋以上のときには10畳以上とされている。
追いだき
追い焚き、追焚きとも。
風呂の湯の温度が時間の経過や入浴により低下したときに、温度を上げるために風呂の湯を再度加熱することを「追いだき」という。
かつては手動で追いだきを行なっていたが、近年はオートタイプのガス風呂給湯器やオートタイプの電気温水器が登場したことにより、自動的に追いだきを行なうことができるようになった。
オーナーチェンジ
賃貸住宅の所有者が、賃借人が入居したままその建物を売却することをいう。
購入者は新たに賃借人を見つける必要がなく、投資用のワンルームマンションでよく使われる方法である。その際に、賃借人から預かっている敷金の引渡しや建物の管理ルールの引継ぎなどに注意が必要である。
オープンキッチン
居室・食事室と一体となっていて、部屋と仕切りがない調理スペースをいう。
間取りを広くとることができ、調理中にも居室とコミュニケーションを保つことができる一方、調理に伴う臭いなどが居室・食事室に波及することへの対応や、収納スペースの適切な確保が必要となる。
か行
壁心
建物の床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のこと。「壁芯」と書くこともある。
この「壁心」の考え方で計算すると、壁の厚みの分が床面積に加算されるので、実際に使用可能な部分の床面積よりもやや大きな床面積となる。
建築基準法では、建物の床面積とは「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の面積」であると規定しているので、建築基準法は壁心の考え方を採用しているということができる(建築基準法施行令2条1項3号)。
なお、この「壁心」と異なる床面積の測定方法として「内法(うちのり)」がある。
関東間
主に関東で用いられてきた、日本の伝統家屋の基本モジュールのこと。京間よりもやや狭い。「田舎間」とも称される。
日本の伝統家屋を設計する際に基本となる柱の間隔(柱の中心から柱の中心までの距離)のことを「1間(いっけん)」という。関東間とは、この1間を「6尺」(約181.2cm)とする家屋のことである。
(注)日本古来の度量衡である尺貫法では、1尺は30.303cm、1寸は1尺の10分の1、1分は1尺の100分の1である。なお、尺の長さは1891(明治24)年の度量衡法で定められたが、1958(昭和33)年に公式の単位としては廃止されている。
京間
主に関西で用いられてきた、日本の伝統家屋の基本モジュールのこと。
関東間よりもやや広い。京都、大阪を中心に主に関西以西で用いられる。
日本の伝統家屋を設計する際に基本となる柱の間隔(柱の中心から柱の中心までの距離)のことを「1間(いっけん)」という。京間とは、この1間を「6尺5寸」(約197.0cm)とする家屋のことである。
(注)日本古来の度量衡である尺貫法では、1尺は30.303cm、1寸は1尺の10分の1、1分は1尺の100分の1である。なお尺の長さは1891(明治24)年の度量衡法で定められたが、1958(昭和33)年に公式の単位としては廃止されている。
景観地区
都市計画によって定められる地域地区の一つで、市街地の良好な景観を形成するための地区をいう。
その指定要件等は景観法に規定されている。
景観地区内においては、建築物の形態意匠(デザイン・色彩など)が規制される他、条例によって、工作物の形態意匠の制限、建築物・工作物の高さ限度、壁面の位置等、開発行為等の規制を定めることができるとされている。この場合、形態意匠の規制については、各地区の事情に応じて多面的な基準を定め、その基準に基づいて審査・認定するという方法が採用されている。
なお、都市計画区域・準都市計画区域以外の区域では景観区域を定めることはできないが、条例によって景観区域に準じた規制をすることができるとされている(準景観地区)。
建ぺい率
敷地面積に対する建築面積(建物の水平投影面積)の割合(%)。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。
建物の建ぺい率の限度は、原則として、用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。
下水
不要なものとして排出される水をいい、雨水と汚水とで構成される。
雨水は、降雨等によって地表に滞留する水であり、汚水は水洗便所から排出される排水(し尿)、台所や風呂場から排出される排水(生活排水)、事業場からの産業排水などである。
下水道は、これら下水を処理するためのシステムとして構築される。
これに対して、利用のために給水される水を「上水」という。
さ行
サンルーム
日光を室内に多量に取り込めるよう工夫した部屋をいう。
屋根や壁をガラス張りにしたり、大きな窓を設けることが多い。
サービスルーム
採光が不足して居室として認められない部屋をいう。
建築基準法では、居室は、住宅の場合、窓の大きさは床面積の7分の1以上なければならないとされているが、その基準を満たさない部屋を「サービスルーム」と称する。
例えば、間取りが「○LDK+S」と表示されている場合の「S」がこれに当たる。「納戸」もこれと同じ意味で使われることが多い。
敷金
建物の借主が、賃料その他賃貸借契約上の債務を担保するため、貸主に交付する金銭をいう。
敷金は、契約が終了した場合に、未払賃料等があればこれを控除したうえで借主に対して退去後に返還される。
セットバック
2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいう。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできない。
専任媒介契約
宅地または建物の売買または交換の媒介の契約(媒介契約)であって、媒介の依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて売買または交換の媒介または代理を依頼することを禁ずる媒介契約をいう。
この契約の有効期間は、3月を超えることができないとされている(契約期間の更新は可能)。
専任媒介契約を締結した場合には、宅地建物取引業者は、契約の相手方を探索するため、7日以内に、媒介の目的物に関する事項を指定流通機構に登録しなければならないとされている。
た行
仲介手数料
宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。
定期借家契約
平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約。
原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要である。
手付
売買契約・請負契約・賃貸借契約などの有償契約において、契約締結の際に、当事者の一方から他方に対して交付する金銭などの有償物のこと(民法第557条・第559条)。
手付には交付される目的により、解約手付、証約手付、違約手付の3種類がある。民法で手付とは、原則的に解約手付であるとしている。また一般に取引において交付される手付の大半は解約手付であると考えてよい。
宅地建物取引業法では、消費者保護の観点から、売主が宅地建物取引業者である場合にはその売買契約で交付される手付は解約手付とみなすという強行規定を設けている(宅地建物取引業法第39条第2項)。これを解約手付性の付与という。
なお、契約に従って当事者が義務を履行したとき、手付は代金の一部に充当される。
テラスハウス
2階建ての連棟式住宅のことをいう。
隣家とは共用の壁で連続しているので、連棟建て、長屋建てともいわれる。
各住戸の敷地は、各住戸の単独所有となっている。
床の間とは
座敷に設けられ、掛け軸や花を飾る上段となった空間。書院造りにおける空間構成の特徴のひとつ。床の間とその脇の壁等との境にある柱を「床柱」という。
独立型キッチン
他の部屋から独立して設置する調理のためのスペース。調理室。調理に伴う臭いなどが居室や食事室に波及しない一方、調理中のコミュニケーションに難があるとされる。
独立型キッチンに対して、他の部屋と一体となった調理スペースを「オープンキッチン」という。
な行
納戸
もともとは屋内に設けた衣類などを収納する部屋という意味であるが、不動産広告では採光のための窓がない(または窓が小さい)部屋のことを「納戸」と表示する。
建築基準法によれば、住宅の居室には、採光のための窓などを居室の床面積の7分の1以上の大きさで設けなければならない(建築基準法28条1項)。
従って、住宅の構造上、採光のための窓を設けにくい部屋は、建築基準法上の「居室」となることができない。そこで、住宅の販売広告等ではこうした部屋を「納戸」と表示することにしているのである。
また最近は「サービスルーム」、さらにはその頭文字を取って「S」と表示されることも多い。
なお、不動産広告を規制する「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」では、建築基準法の採光等の規定をクリアしていないために「居室」となることができない部屋は「納戸」等と表示することと定めている。
は行
バルコニー
建物の壁面から突き出した床の部分。ベランダともいう。
バルコニー・ベランダは、マンションの場合、共用部分とみなされるので、各住戸の専有面積に算入されない。
またマンションの各住戸の所有者は、バルコニー・ベランダに物を置いて火災時の避難に支障をきたしてはならないとされている。
ひな壇
桃の節句で雛人形を飾る段々状のステージが原意。
宅地を開発する際、平坦に整地できない場合、自然の起伏を活かすか、段々状に土を削ったり(切り土)、盛ったり(盛り土)する。どちらが良いかは一概に言えないが、ひな壇造成された土地の場合、一般に盛土部分の地耐力は切土部分より弱い。またひな壇の上部のほうが、湿気が少ないとされている。
ベランダ
建物の壁面から突き出した床の部分。バルコニーともいう。
バルコニー・ベランダは、マンションの場合、共用部分とみなされるので、各住戸の専有面積に算入されない。またマンションの各住戸の所有者は、バルコニー・ベランダに物を置いて火災時の避難に支障をきたしてはならないとされている。
ポーチ
建物の入り口部分で、建物の屋根とは別の庇(ひさし)を持ち、建物の外壁から突き出している部分を「ポーチ」という(建築用語では庇型ポーチという)。
ただし、建物の外壁に大きなくぼんだ空間を造り、そのくぼみの内側に玄関ドアを設けた場合もその空間を「ポーチ」ということがある(建築用語では寄り付き型ポーチという)。
ま行
間口
土地と道路が接する長さのこと。
や行
床下収納
住宅の床下に収納スペースを設けること。
床下収納は、建物空間を有効に利用できるが、温度・湿度の管理、収納品の出入れや掃除の利便に難がある。
なお、伝統的な民家では、土間の一角を掘って「穴蔵」を設け、保存食などを収納することがあるが、床下収納はこの穴蔵と共通する空間設計である。
ら行
リノベーション
礼金
建物の賃貸借契約を締結する際に、借主から貸主に対して、謝礼として支払われる金銭をいう。
契約が終了しても通常、借主に返還されない。
陸屋根
屋根形式の一つで、勾配が水平または水平に近いかたちのもの。
わ行
ワンルーム
一部屋で構成する住戸又はその間取りをいう。居室(リビング)、浴室・トイレ、キッチンを備えている。英語でOne-roomとつづれるが、意味上は和製英語である。
「ワンルームマンション」は、ワンルームで構成された集合住宅又は住戸そのものをさすが、その間取りは、一つの居室とキッチンスペースとが仕切られ、キッチンが独立しているタイプのものが多い。一方、「ワンルーム」のなかには、部屋に間仕切りがなく、キッチンスペースを含めて一部屋だけの住戸もある。
不動産の間取り表示において、キッチンスペースが仕切られているワンルームを「1K」、仕切られていないワンルームを「1R」と区別する場合がある。